【北欧「スウェーデン住宅」との出逢い】

 
 
 
 
 
輪島塗(漆器)が増えるごとに、手狭となった我が家はそれなりに気に入っていました。仕事場に近く、いつ急患が発生してもすぐ駆け付けることが出来る立地です。友人の紹介で木造スレート屋根の築20年の中古物件をリフォームして住んでいました。
 
しかしながら冬は異様に寒く、2階の寝ている部屋はいくら暖房を入れても室温5℃以上には上がらないのです。妻は夜、仕事が終わりベランダに洗濯物を取り入れる時は、完全防備の出で立ち(マフラー帽子着用)で寒い寒いと言わない日はありませんでした。仕事を終え、家の前に来ると決まったようにジャンケンをして、負けた方が2階の暖房を付け、勝った方が一階の暖房を付けるというのが日課になっていました。
 
真冬の朝は目覚めの息が白く、肩から頭が冷えきり、まるで脳が凍っている気がして、朝の診察に差し支えると妻によく話していたものです。その度に妻は「どうしてこの家は冬は外よりも寒く、夏は外よりも暑いの?」と不服そうでした。
 
そんな妻の不満が私の「こだわりの生活」に火がつき始めたのです。「住居とは雨露を凌げるだけ」でしか無かったものを、本気で考えるようになったのです。
 
こんな温度・湿度の住居でいるのは長生きできないとさえ思いはじめました。冬は暖房器具を工夫しても、頭だけのぼせて足が冷えてくる。夏は湿度がコントロール出来ず、直接クーラーの冷気が当たって夏風邪様の症状になるのです。
妻は若い時から冷え性で、年中虚弱体質でした。看護師をしていても年中風邪を引いて、頭が痛い寒いと言い続け「どの部屋へ入っても、一定の温度で快適な空気の家があればいいのにねえ」と夢のようなことを言うではありませんか。
 

   
 
     
 
 
   
私は以前、よく湯布院の温泉が好きで、友人達と正月、温泉旅館に宿泊していた事を思い出しました。その旅館は内風呂で、自分たちの部屋に戻ってきても一向に湯冷めもしません。冬には外で雪がちらついていても、どの部屋もほんのりと温かく、着物でウロウロしていてもちっとも寒くないのです。あんな旅館の様な空調の良い家を造れないものかと考えていました。
 
それからというもの、機会があれば「和の建築」や「洋館」と、某有名住宅メーカーのありとあらゆるモデル住宅を見学するようになって行きました。妻は和であれ洋であれ、見る度に「わぁステキ!これにしよう」と外観やデザイン性だけで夢を追っていました。
 
かれこれ2、3年冷やかしの見学が続いていたある日、六甲アイランドで洋館ばかりの輸入住宅の展示会があることを知り見学に行きました。さすがどれもこれも外国の代表される住宅とあって素敵なものばかりでしたが、私の頭の中には一つの絶対的条件が常にありました。それは「妻の冷え性が改善される暖かい家」です。断熱効果の高い「高気密・高断熱」の建物でした。
 
カナディアンのログハウス調、イギリス、アメリカと次々と廻った最後に「なんだこりゃ!?」と感じた家があり ました。外観が今までとは全く違うシンプルで箱物に近い印象の「北欧の家」に足を踏み入れたのです。
真冬のことでした。一歩玄関に入って不思議な空気を感じたのは私も妻も同じだったと思います。寒い日でしたが暖房を
しているにもかかわらず、今まで見て廻ったモデルルームはどれも寒かった気がします。
 
「この家は?・・・」
 
「暖房を入れていません」営業担当の若き女性が言うのです。私はすかさずいろいろ質問をしてみました。ことごとく明確に答えられるのを聞きながら私の心は動き始めました。
 
「この家はちょっと違うぞ・・・研究の余地あり」
 
じっくり見ていく価値があると直感しました。そして一年四季折々抜き打ちに何度も足を運びました。 
 
 
     
   
 
     
 
 
 
  住宅というものについて本格的に学習するようになって行きました。この「スウェーデン住宅(レーナハウス/株式会社道田工務店)」のテーマは「10分間住むだけで違いがわかる」とありました。その通り、小一時間あちこちを見学している間、なんとも心地よい空気の流れと木の香りで、心が癒されていく気がしました。
 
そしてどうでしょう。どの部屋に入っても空気が一定で温度差が感じられなかったのです。二重の窓はよく知っていましたが、これは「トリプル」だというのです。さらに天井の窓に驚かされました。イギリス、フランスの家を見たとき高い天井にある窓の掃除は一体どうするのか、いずれも満足の得られない解答だったのが、「この家の窓は一回転して部屋の中から拭ける」と実演してくれました。成る程!これは寒がりの女房にはもってこいだと思いました。
 
そして壁の厚さがまたまたびっくり。日本のメーカーでは到底扱えない断熱材が入り、高気密性の説明を受けました。空調は24時間稼動し、2時間に一回換気するという自動強制排気装置があるそうです。
フィルターを通してアレルゲンがシャットされ、きれいな空気だけが入るという優れものなのです。さすがにこれには私たちもうれしくなりました。
 
実は2人ともすごい花粉症でしたので。いろいろこの家について調べれば調べる程すごい家だなと、私たちが最も求めていた家と出逢えた喜び以上のものがこの家にはありました。
 
しかしこの家に決定するには、コスト面が他の輸入住宅より一番割高であることに妻は心配していました。他のスウェーデンのメーカーとどう違うのかも妻なりに考え、納得のいく答えを見付けていきました。
初めての新築で、メンテナンスもわからない輸入住宅に戸惑いを感じながらも、一年かけてあらゆる質問をする中でこの家に決めることにしました。
 
 
   
  
     
 
 
  完成までに住宅メーカーの方と共にスウェーデンという未知なる国を訪れる機会も得られ、家の材木がどのような形で日本にやってくるのかを、実際に資材を製作しているスウェーデンの工場を見学し、我が家に使われている材(松、白樺)の森へ行って、木を伐採する体験までさせて頂きました。
 
この家を通じてスウェーデンという国を深く知ることができました。森と湖の国、その自然を愛し、ひたすら環境に良い物作りをする国に魅せられて八年がこようとしています。
 
毎日生活をしながら、この家と出逢ったことを人生の一つの財産というよりは、人間にとって住まいを考える時、「理屈抜きに人と家とは一体なのだ」とつくづく感じるようになりました。休みにはあんなに「温泉だ、外へ行こう」と言っていた妻が「どこも行きたくない。我が家が一番いい」と言い出しました。
 
ちなみに虚弱だった妻は冷え性が治り、花粉症も治まり、たくましく元気になりすぎました。うだるような暑さの夏でも我が家は快適な温度と湿度がコントロールされています。寒い寒い冬の木枯らしの吹く日、古い家の中でマフラーをしていた事を思うとウソのようです。妻とジャンケンをして暖房を入れていた事も懐かしい思い出となりました。
 
もうすぐ梅雨に入りますが、静かな雨の音はトリプルの窓で聞こえません。四季折々の鳥のさえずりも、これから聞こえてくるだろう鈴虫の音色も聞こえにくいことは残念ですが、少々大声で夫婦げんかをしても、ご近所には聞こえないと信じています。(笑)
 
いずれにしても住居って大切だと思うようになりました。我が家にはこのスウェーデンの家を全く日本仕様にはせず、フルスペックのままです。調度品も部屋のデザインも全てスウェーデンのデザイナーによるものです。来客が多いので一階はワンフロアーにしました。おかげでここに集う仲間はスウェーデン、フィンランド、中国、フィリピン、アメリカ、イランと国際色豊かです。
 
私たちの住まいの原点は「健康で長生き出来る活力の源となる」ということです。そして「人々との出逢いが生まれる場」でありたいと考えています。
 
 
 
       
     
岸和田,かかりつけ医,内科,健康診断,予防接種,生活習慣病【畑田医院】
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